KUROSATOのトレード記録テンプレート無料配布
「なぜ勝てたか・負けたか」が分かる記録の粒度とは
私がトレードで最初に「変わった」と実感したのは、手法を変えたときではありません。記録の付け方を変えたときでした。
それまでの私の記録は、「5勝3敗、今週はまずまず」という結果のメモでした。何年つけても、上達には繋がりませんでした。理由はいま思えば単純で、結果の記録からは「同じ失敗」が見えないからです。同じ失敗が見えなければ、直しようがない。私は同じ場所で、名前のつかない負け方を繰り返していました。
記録は日記ではなく、検証のためのデータです。だから記録すべきは「勝ったか負けたか」ではなく「その判断を再現できるか」です。
この記事では、私が実際に使っているトレード記録の項目と、週次振り返りのフォーマットを公開します。「記録を始めたいが、何を書けばいいか分からない」という方のスタート地点として使ってください
まず、記録の「粒度」の違いを見てください
検証に使えない記録の例
6/12 USDJPY ロング
損切り。うまくいかなかった。次はもっと慎重に。
検証に使える記録の例
6/12 USDJPY ロング
根拠: H4の押し目とサポート帯での反発確認。想定シナリオ: 直近高値までの戻り。実際の動き: 反発が続かずサポート割れ、ルール通り損切り(-1.0%)。
根拠の精度: ○(シナリオ自体は事前ルールに沿っていたが、上位足の環境認識が浅かった)。
エントリー前の感情: やや焦り(前日のノートレードを取り返したい気持ち)。
規律スコア: 4(損切りはルール通り実行)。
※ 上記は記入イメージのための架空の例です。特定の通貨ペア・手法・売買タイミングを推奨するものではありません。
違いは一つだけです。未来の自分が読み返したとき、同じ状況で同じ判断を再現(あるいは修正)できるか。 上の記録では「次はもっと慎重に」以上のことが何も言えません。下の記録なら、「焦りがある日の押し目買いは環境認識が浅くなる」という仮説が立ちます。仮説が立てば、検証できます。
トレード記録シート(1トレード1行)
基本情報
エントリー・エグジット
取引根拠(ここが最重要)
「根拠の精度」は、結果と切り離して記録します。 勝っても根拠が薄ければ△。負けても根拠通りに動いていれば◎。この区別をつけないと、運で勝てた理由を実力と誤認し続けます。私の経験では、記録を始めて最初に直面するのは「勝ちトレードに△が多い」という不都合な事実でした。そこからが検証の始まりです。
心理・感情
感情の記録は、最初は少し恥ずかしく感じます。それでも1か月分たまって読み返すと、「負けトレードの直前は決まって焦っていた」というようなパターンが見えてきます。感情は排除するものではなく、記録して観察するものです。そこが改善の入口になります。
週次振り返りフォーマット
毎週決まった曜日に、先週の記録を見ながら埋めます(私は月曜の朝に行っています)。
## 週次レビュー: YYYY年MM月第N週(MM/DD〜MM/DD)
### 数字サマリー
- トレード本数: X本
- 勝ち / 負け: X本 / X本
- 勝率: XX%
- 週次損益: +X.X% / -X.X%
- 最大ドローダウン: -X.X%
- 平均RR(リスクリワード): X.X
### 良かったトレード(1〜2本)
1. [日付・通貨ペア・結果]: 何が良かったか。次に同じ状況が来たら同じ判断ができるか?
### 反省トレード(1〜2本)
1. [日付・通貨ペア・結果]: 何がまずかったか。次回どう変えるか?
### 今週の規律スコア(各5段階)
- エントリー基準の遵守: [ ]/5
- SL遵守率(SLを動かさなかったか): [ ]/5
- 感情コントロール: [ ]/5
### 来週に持ち越す課題(1〜2個まで)
1.
2.ポイントは「来週に持ち越す課題」を1〜2個までに絞ることです。課題を5個書くのは、何も直さないのと同じです。
月に一度、週次レビューを4枚並べる
週次レビューが4〜5枚たまったら、月に一度、並べて眺めます。見るのは個々のトレードではなく、傾向です。
規律スコアが低い週と、損益が悪い週は重なっていないか
負けが特定の状況(時間帯・通貨ペア・感情の状態)に集中していないか
「来週の課題」が毎週同じ内容になっていないか(なっていたら、それが本丸です)
この月次の眺め直しが、「記録をつけているだけの人」と「記録で検証している人」の分かれ目だと私は考えています
記録を活かすための3つのルール
1. 記録はエグジット直後に書く 決済後30分以内に書く習慣をつけます。翌日に書くと感情の記憶が薄れて、「なんとなく根拠があった気がする」という記録になります。リアルタイムの感情と根拠を残すことが目的です。
2. 結果と「根拠の質」を必ず分けて評価する 勝ったか負けたかではなく、「計画通りだったか」を評価します。運による勝ちも、根拠通りの負けも、どちらも正直に記録します。自分に嘘をつく記録は、つけないほうがましです。
3. 週次レビューは決まった曜日・決まった時間に行う 週に一度、30分。相場が開く前に「今週の課題」を確認してから週を始めます。この30分が、感情トレードへの防波堤になります。
スプレッドシート版について
このテンプレートのGoogleスプレッドシート版(コピーしてすぐ使える形式)を用意しています。
▶ スプレッドシートをコピーして使う: https://docs.google.com/spreadsheets/d/1Pwv2YO6Jd3hnLEejzxPmhSXD3QpznGv_Wok892FIa3U/copy
最後に
記録を1か月続けると、自分のトレードに「名前のつく失敗」が現れます。「焦りの押し目買い」「SLをずらす癖」。名前がつけば、直せます。名前がつかないまま繰り返すのが、いちばん高くつきます。
記録は退屈な作業ではなく、自分のトレードを検証するための唯一の道具です。
規律が自由を作ります。
【免責事項】 本資料は教育目的で提供されており、金融商品取引法に基づく投資助言ではありません。記録・振り返りのための方法論を解説するものであり、特定の金融商品の売買や投資判断を推奨するものではありません。本文中の記入例はすべて架空のものです。実際の投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。
▶ トレード検証の考え方・方法論をもっと深く知りたい方へ: 「規律ある暇人のトレード検証室」では毎週、実際のトレード記録をもとにした検証記事をお届けしています。












